ムソルグスキーの「はげ山の一夜」は、聖ヨハネ祭の前夜に起こる怪奇な出来事を描いた交響詩(交響曲)で、ロシアの民話を基に魔王が率いる魔物たちがはげ山で大騒ぎする様子を表現したもので、1867年頃に作曲されました。
しかし作曲者、ムソルグスキーの生前に演奏されることはなく、彼の死後(1881年)に友人でもあったリムスキー=コルサコフが原曲に比べて音響効果に優れ、華麗な響きに洗練された改訂・編曲版を発表(1886年)し、これが現在では広く演奏されています。
はげ山の一夜
作曲:モデスト・ムソルグスキー(リムスキー編曲版)
しかし20世紀に入ってムソルグスキー自身による原曲版が再発見され、リムスキー編曲版とは異なった、荒々しくおどろおどろしい雰囲気の力強い旋律で、ムソルグスキーの典型的作風として評価されるようになりました。
リムスキー=コルサコフによる改訂版はディズニーのアニメーション映画「ファンタジア」に使われ、冨田勲のアルバム「火の鳥」でもシンセサイザーによる多重録音が収められており、他にもアニメやドラマの主題曲や効果音として使われいます。

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