100年以上も前の事として、18世紀の西洋の船乗りたちが本気で信じていたという伝説に基づいた歌劇です。
その伝説とはオランダ船の船長が、嵐の航海で神を冒とくしたために天罰が下り、死ぬことすら許されずに海を永遠にさまよい続けている。この船に遭遇すると船員たちに数々の不幸が訪れるとも、また呪われた船長は無垢な女性の純愛によってのみ救済されるので、港の女性は注意するようにとの話もあったようです。
この伝説を基にドイツの詩人「ハインリヒ・ハイネ」が書いた小説「フォン・シュナーベレヴォプスキー氏の回想記」(1834年)を元に、ワーグナー自身が再構成し、1842年に完成、1843年に初演された歌劇です。
さまよえるオランダ人「序曲」
歌劇の内容
ここは18世紀のノルウェーの港です。悪魔の呪いを受けて永遠に海をさまようオランダ人船長。7年に1度だけ上陸が許され、彼は乙女の愛によってしか呪いが解けることはなく、死ぬこともできず、永遠に海をさまよわなければならない運命です。
この港に停泊していた商人ダーラントの船の近くにこの幽霊船が現れて、ダーラントはオランダ人から財宝を受け取り、娘のゼンタに会わせることを約束してしまいます。
そしてゼンタは自分こそがこのオランダ人を救うことができるのだと感じ、永遠の貞節をオランダ人に誓うのです。しかしゼンタを愛する恋人のエリックは彼女の心変わりを責め、それを聞いたオランダ人は絶望し出航していきます。
それを見たゼンタは彼を追って海中に身を投じて誓いを守ります。その彼女の永遠の愛によってオランダ人は呪いから救われ、船もろとも海底に沈んで死を迎えることが叶うのです。
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