「嘆きのセレナーデ(Serenata “Rimpianto”)」は、イタリアの作曲家・ピアニスト、エンリコ・トセリ(Enrico Toselli, 1883~1926)が作曲した歌曲です。歌詞はアルフレード・シルヴェストリによるもので、「Rimpianto」はイタリア語で「追憶」「悔恨」「もの悲しい思い」といった意味を持ちます。作品は『Serenata(セレナーデ)』、作品6の第1曲として知られています。
曲は、過ぎ去った恋と青春の日々を懐かしみ、失われた幸福を嘆く心情を歌ったものです。冒頭では、かつての愛の記憶を「黄金の夢」のように回想しますが、その幸福は長く続かず、夢が消えたあとには深い悲しみだけが残ります。やがて過ぎ去った青春への「嘆き」が胸に残るという、哀愁に満ちた内容へと展開します。
トセリは若くしてピアニストとして活躍し、作曲家としても多くの作品を残しましたが、とりわけこの「嘆きのセレナーデ」によって広く知られています。甘く美しい旋律と、失われた愛を振り返る切ない表情が特徴で、イタリアのロマン派歌曲らしい情感を強く感じさせる作品です。
なお、この曲には古い楽譜や出版資料が複数残されており、1900年の出版資料では「Rimpianto : serenata」として、トセリ作曲・シルヴェストリ作詞と記録されています。
嘆きのセレナーデ
エンリコ・トセリ
原詩はシルベストリですが、この歌詞には日本でも「徳永 政太郎」「近藤 玲二」など数人が訳詞をしています。参考までに「徳永 政太郎」の訳詞を掲載します。
嘆きのセレナーデ
作詞:Alfredo Silvestri
訳詞: 徳永 政太郎
作曲:Enrico Toselli
うれし夢の そのように
過ぎゆきし恋よ 胸に残るは
うれし春に 酔いしれし
やさしあの笑まい 夢とはなりぬ
されど短き なさけなりしよ
ああ 美しの夢のみ残り
わびしさは いやますのみ
麗(うるわ)し 春去り
ただ残るは 悲しみの涙
ああ楽しき日 かえるまじ
永遠に ああ

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