作曲者:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840~1893)
作曲年:1876年
「6月・舟歌」は、ロシアの作曲家ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーが1876年に作曲した、ピアノ曲集「四季」作品37aの第6曲です。「四季」は、サンクトペテルブルクの音楽雑誌『ヌヴェリスト』の編集者ニコライ・ベルナールの依頼によって作曲され、1876年に1月から12月まで毎月1曲ずつ掲載されました。6月の「舟歌」も、同年6月号に発表されています。
「舟歌(Barcarolle)」とは、もともとヴェネツィアのゴンドラの船頭が歌った歌を指す言葉で、ゆったりとした船の揺れを思わせるリズムが特徴です。この曲も、静かな水面を舟が滑るような穏やかな旋律で始まり、どこか哀愁を帯びた美しい情感が漂います。
「四季」の各曲には、それぞれの月をイメージした短い詩が添えられていました。「6月・舟歌」には、ロシアの詩人アレクセイ・プレシチェーエフの詩が置かれ、岸辺を歩きながら、夜空の星を眺める情景が描かれています。こうした詩の情景が、曲の持つ静けさとロマンティックな雰囲気をいっそう引き立てています。
チャイコフスキーは、華やかな管弦楽作品だけでなく、こうした小規模なピアノ曲にも繊細な感情を込めました。「舟歌」は、激しい動きよりも旋律の美しさと和声の色彩を味わう作品であり、ロマン派音楽らしい叙情性がよく表れています。
「四季」より 「舟歌」
ピアノとバイオリン演奏
本来はピアノ曲ですが、ここでは「Arthur Seybold」 (1868-1948)編曲のピアノとバイオリンでの演奏としました、ピアノとはまた違った雰囲気を楽しんでいただければと思います。

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