「3つの軍隊行進曲(3 Marches militaires)」D 733、作品51は、オーストリアの作曲家フランツ・シューベルトが作曲した、ピアノ連弾(1台のピアノを2人で演奏する)ための3曲からなる行進曲集です。作曲年は1818年とする説が有力ですが、確定しているわけではありません。1826年に出版されました。
シューベルトは1818年、ハンガリーのツェリス(現在のスロバキア、ジェリエゾフツェ)に滞在し、エステルハージ伯爵家の娘たちにピアノを教えていました。この時期には、家庭での演奏やピアノ教育を目的とした連弾曲が数多く作曲されており、「3つの軍隊行進曲」もその一つと考えられています。軍隊を題材にした実用的な行進曲というより、明るく力強い雰囲気と軽快なリズムを楽しむ音楽です。
3曲はそれぞれ異なる調で書かれています。第1番はニ長調、第2番はト長調、第3番は変ホ長調で、いずれも快活な行進曲らしいリズムが特徴です。特に第1番は非常に有名で、原曲のピアノ連弾だけでなく、ピアノ独奏や管弦楽、吹奏楽などにも編曲され、シューベルトの代表的なピアノ作品の一つとして親しまれています。
軍隊行進曲 (「3つの軍隊行進曲」より第1番)
フランツ・シューベルト(For 2 Pianos)
「軍隊行進曲」という題名から勇壮で重々しい音楽を想像しがちですが、シューベルトらしい親しみやすい旋律と軽やかな音楽性が随所に感じられます。華やかな主部と穏やかな中間部が対照をなし、最後には再び行進曲の主題が戻ってくる構成で、明快で聴きやすい作品となっています。

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