作曲年:1888~1889年
作品番号:作品66(Op.66)
初演:1890年1月
「眠れる森の美女」より「ワルツ」は、ロシアを代表する作曲家、「ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー」が作曲したバレエ音楽『眠れる森の美女』の中でも、特に有名な曲の一つです。
チャイコフスキーは1888年からこのバレエ音楽の作曲に取り組み、1889年に完成させました。作品番号はOp.66です。バレエ全曲は1890年にサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で初演され、振付を担当したのは、当時のロシア・バレエ界を代表する振付家「マリウス・プティパ」でした。
物語の原作となったのは、フランスの作家「シャルル・ペロー」による童話『眠れる森の美女』です。帝室劇場の責任者だった「イワン・フセヴォロシスキー」がこの題材をもとにしたバレエ作品を企画し、チャイコフスキーに作曲を依頼しました。プティパは舞台上の踊りに合わせて、音楽の長さやテンポなどについて細かな指示を出したとされています。
「眠れる森の美女」より ワルツ
チャイコフスキー
この作品の「ワルツ」は、バレエ第1幕の第6曲として登場します。華やかな舞踏会を思わせる、明るく優雅な音楽で、流れるような3拍子のリズムと美しい旋律が大きな魅力です。バレエでは、王女オーロラの誕生を祝う祝宴の場面で、多くの人々が華やかに踊る場面を彩ります。特に印象的なのは、弦楽器を中心とした流麗な旋律と、木管楽器や金管楽器を加えた華やかなオーケストレーションです。オーケストレーションとは、各楽器に旋律や伴奏などを振り分け、全体の響きを作り上げる作曲上の技法です。チャイコフスキーはこの作品でも、さまざまな楽器を巧みに組み合わせ、宮廷の祝宴にふさわしい華麗な雰囲気を作り出しています。
また、このワルツは単なる舞踏曲としてだけでなく、バレエ音楽として非常に完成度の高い作品です。踊りの動きに合わせながらも、旋律そのものに強い魅力があり、バレエの舞台を離れて演奏会でも独立した管弦楽曲として親しまれています。後に作られた『眠れる森の美女』の組曲にも、このワルツが収められています。
チャイコフスキーの三大バレエといえば、『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』がよく知られています。その中でも『眠れる森の美女』は、古典的なバレエの様式とチャイコフスキーならではの豊かな旋律美が融合した作品です。

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