作曲:ジョニー・ハイケンス(Jonny Heykens)
発表年:1920年
原題:Ständchen(セレナーデ) Op.21-1
「ハイケンスのセレナーデ」は、オランダの作曲家ジョニー・ハイケンスが1920年に発表した作品です。原題は「Ständchen(シュテンドヒェン)」で、「小さなセレナーデ」といった意味を持ちます。明るく軽やかで親しみやすい旋律が特徴で、ハイケンスの作品の中でも特に広く知られている曲です。
日本では、1943年にNHKのラジオ番組「前線へ送る夕」のテーマ曲として使われたことで広く知られるようになりました。戦後には旧国鉄の客車の車内放送用チャイムとして、この曲の一部分が採用され、寝台列車や長距離列車などで親しまれるようになります。そのため現在でも「ハイケンスのセレナーデ」と聞くと、列車の旅やブルートレインを思い浮かべる人も少なくありません。
穏やかで美しい旋律は、もともとのセレナーデ(恋人などのために夜に演奏・歌唱する音楽)らしい優雅さを備えています。一方、日本では鉄道の車内チャイムとして長く使われたことで、クラシック音楽としてだけでなく、鉄道文化を象徴する懐かしいメロディーとしても定着しました。
ハイケンスのセレナーデ
「ハイケンス」はベルギーに留学し、ブリュッセル音楽院でヴァイオリンを学ぶ。その後、自ら楽団を設立し、指揮者としてヨーロッパで活躍した。しかし彼はナチス支持者であり、新聞紙上などでアドルフ・ヒトラーを賞賛し、戦中はドイツで演奏家として活動していた。
戦争末期にオランダに帰国するも、連合軍にナチス・ドイツに対する協力的な姿勢を問われて、ヒルフェルスムの監獄に収監され、間もなく獄中にて死去した。(60歳)
彼は他にも多くの楽曲を作曲したが、戦争などでほとんどの作品は消失し、また上記の理由などで現在では彼の他の作品が演奏されることはないようです。

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