「愛の喜び」はクライスラーの三部作として知られています。この3曲はピアノとヴァイオリンのための作品ですが、フルートなどでも演奏されています。
作曲者:フリッツ・クライスラー(1875–1962)
作曲年:1905年ごろ(1905年に出版)
「愛の喜び(Liebesfreud)」は、オーストリア生まれの名ヴァイオリニスト・作曲家、フリッツ・クライスラーによるヴァイオリンとピアノのための小品です。1905年に出版され、現在ではクライスラーを代表する作品の一つとして親しまれています。
この曲は、「愛の悲しみ(Liebesleid)」「美しきロスマリン(Schön Rosmarin)」と共に、《ウィーン古典舞曲集》を構成する3曲のうちの第1曲です。いずれも古きウィーンを思わせる優雅な舞曲風の作品で、「愛の喜び」はその名の通り、明るく華やかで幸福感に満ちた旋律が特徴です。
軽快なワルツのリズムに乗ってヴァイオリンが華やかに歌い、クライスラーならではの美しい音色と技巧が存分に生かされています。単なる技巧的な作品ではなく、優雅さや温かさ、そしてどこか懐かしさを感じさせるところに、この曲の大きな魅力があります。
興味深いのは、初めからクライスラー自身の作品として発表されたわけではないことです。当初は19世紀前半のウィーンの作曲家ヨーゼフ・ランナーの作品として発表され、後になってクライスラー自身の作曲であることが明らかになりました。クライスラーは古いウィーン音楽への憧れを、自らの作品の中に巧みに取り入れたのです。
愛の喜び (クライスラー)
「愛の喜び」は、華やかなヴァイオリンの旋律と軽やかな舞曲のリズムによって、恋する人の幸福感や心の弾むような喜びを感じさせる名曲です。現在ではヴァイオリンの名曲としてだけでなく、ラフマニノフによるピアノ独奏用編曲も広く知られています。
作曲者の「フリッツ・クライスラー」については「愛の悲しみ」で解説しています。
尚、日本の題名では別曲同名のマルティーニの「愛の喜び」もあります。

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