この曲は「演奏会用序曲」に分類される。演奏会用序曲(concert overture)とは、19世紀に始まる管弦楽曲のジャンルの1つであり、舞台作品の序曲のように、単一楽章制と、物語性や描写的要素が特徴的である。
しかし「序曲」といいながらも、舞台作品の序曲と異なり、それ自体で完結していて、後に続くべき何らかの本体がない。直接的にはベートーヴェンの序曲から発展し、ベルリオーズやメンデルスゾーンを経て、やがてより自由に構成されるようになり、リストやサン=サーンスらの交響詩へと変質を遂げた。
------------------------------------------------
作曲者:フェリックス・メンデルスゾーン(1809~1847)
作品名:「ヘブリディーズ」序曲(「フィンガルの洞窟」)
作品番号:Op.26
作曲:1829~1830年、1832年に改訂
初演:1832年5月14日、ロンドン
所要時間:約9~10分
編成:管弦楽
曲名について
メンデルスゾーン自身は「ヘブリディーズ」という題名を用いましたが、楽譜の出版過程では「フィンガルの洞窟(Fingals Höhle)」という題名も使われました。そのため、現在でも「ヘブリディーズ序曲」「フィンガルの洞窟」の二つの名前が定着しており、日本では一般に「フィンガルの洞窟」という名称のほうがよく知られています。
この「フィンガルの洞窟」は、フェリックス・メンデルスゾーン(1809~1847)がスコットランドの雄大な自然から着想を得て作曲した代表的な管弦楽曲です。正式には「ヘブリディーズ(Hebrides)」序曲 作品26と呼ばれ、「フィンガルの洞窟」はその別名として広く知られています。作曲は1829~1830年、後に大幅な改訂が行われ、1832年5月14日にロンドンで初演されました。演奏時間は約10分です。
序曲「フィンガルの洞窟」
冒頭では低弦やファゴットによる特徴的な旋律が静かに始まり、海のうねりや波の動きを思わせます。やがて音楽は次第に激しさを増し、金管楽器のファンファーレなどを交えながら、荒々しい海と雄大な自然を描き出していきます。そして最後には再び静けさを取り戻し、聴き手をスコットランドの海辺へと連れ戻すように曲を閉じます。
1829年、20歳のメンデルスゾーンは友人のカール・クリンゲマンとともにイギリスを旅行し、スコットランドを訪れました。そこで目にしたのが、スコットランド西方のヘブリディーズ諸島にある小島、スタファ島です。
島には「フィンガルの洞窟」と呼ばれる巨大な海食洞があり、玄武岩の柱状節理が並ぶその姿は、まるで巨大なパイプオルガンの内部のように見えます。この風景(洞窟そのものだけでなく、スコットランドの海、島々、荒々しい自然など)に強い印象を受けたメンデルスゾーンは、旅行中に作品の冒頭となる旋律を書き留めました。

0 件のコメント:
コメントを投稿