作曲者:ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685~1759)
作曲年:1711年
「私を泣かせてください」(原題:Lascia ch’io pianga)は、ドイツ生まれでイギリスを中心に活躍した作曲家、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルが1711年に作曲した歌劇《リナルド》の第2幕で歌われる有名なアリアです。
物語の中で、主人公リナルドの恋人アルミレーナは敵の捕虜となり、自由を奪われています。彼女は自らの悲しい運命を嘆き、「どうか私を泣かせてください、自由を求めてため息をつかせてください」と歌います。その静かな悲しみと、自由を願う切実な心情が、この曲の大きな魅力です。
ヘンデルはこの旋律を《リナルド》のために初めて作ったわけではありません。もともとは1705年の歌劇《アルミーラ》で舞曲として用い、その後1707年のオラトリオ《時と悟りの勝利》にも別の歌詞で転用しました。そして1711年、《リナルド》の中で「私を泣かせてください」として再び用いられています。
曲はヘ長調で、ゆったりとした3拍子の流れに、シンプルで美しい旋律が重ねられます。派手な技巧を前面に出すのではなく、抑えた表現によって深い悲しみと気高さを感じさせるところに、ヘンデルの音楽の魅力があります。
私を泣かせてください
歌劇《リナルド》は1711年にロンドンで初演され、大きな成功を収めました。「私を泣かせてください」はその後も独立した歌曲のように広く演奏され、現在ではヘンデルを代表する名アリアとして親しまれています。

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